私は孤独でした。
若いホストの甘い言葉にのせられて、お金を湯水の如く使い果たし、結果的に闇金にまで手を出してしまいました。
ありがちな話ですが、地獄のような体験でした。
ホストと闇金は同類と思っています。
人を人として見ていない、単なる金でしかない彼ら。
そんな鬼畜たちに振り回されて、堕ちるとこまで堕ちてしまったのです。
でも最後は弁護士の助けで、再生への道へ進むことができました。
今も返済中ですが、希望が持てています。
このページでは、きらびやかなホストクラブとは無縁の生活を送っていた40代女「さやか」が、ホストに声を掛けられたことがきっかけで堕ちていく体験談を話していきます。
些細な出会いからホストクラブの面白さに気づき、転落人生へ出発
離婚をして2年が過ぎたころ。
仕事は忙しく、子供たちは高校生になり、子育ても落ち着いていたころです。
年は40歳すぎ。
保険会社で役職が付いており、仕事は順調でした。
でも、心はいつもぽっかり穴があいているような、空虚な気持ちを抱えて生きていました。
中間管理職の仕事は日々多忙で、帰宅しても子供たちと会話する気力もありません。
お互い、いるのかいないのかわからない生活が続いています。
そんなころ、彼に出会ってしまったのです。
「お姉さんが綺麗だから」の声掛けに心を奪われてしまった
仕事帰りにボーと歩いていたときです。
「すみません、すみません」と声を掛けられました。
田舎から出てきて間もないみたいな、素朴な雰囲気の男の子が私に声を掛けています。
一見してホストには見えません。
その子は私に連絡先を交換して欲しいと言います。
驚いた私は「なんで?」と聞き返します。
すると、
「お姉さんが綺麗だから」
と言うではないですか。
心底驚きました。
私は40歳、立派なおばさんです。そんな私が綺麗!
綺麗などという言葉は、もう何年も言われたことがなかった。
誠実そうな雰囲気と、「お姉さんが綺麗」という言葉に舞い上がってしまった私は、連絡先を交換してしまったのです。
そのときは彼がホストだなんて思っておらず、ナンパされたと思っていたのです。
もう長い間男性との関係もなく、何となく、その先の進展を少し期待する気持ちでした。
結局ホストの営業に引っかかっただけでした。
彼とメールのやり取りが始まり、最近無かったワクワク感を楽しんでいました。
彼のメールは優しく情熱的なもので、私は心の空白を埋めるように、どんどん彼にのめり込んでいきました。
そのうち彼から「店に遊びに来てくれないか」と誘われたのです。
メールのやり取りで、ホストクラブに努めていることは知っていましたが、営業ではなく私を好きなのだと思っていました。
初めて行ったホストクラブは別世界でした。
何もかもがめずらしく刺激的で、私がホストクラブにハマるのに時間はかかりませんでした。
離婚後、子供たちとの会話もほとんど無い、冷めきった日々でした。
そんな心のすき間に上手く入り込むのがホストです。
ホストに必要とされることや、優しい言葉遣いに、私の心は満たされていきました。
頼れる人が現れたことで、どんどんのめり込んでいったのです。
毎晩のホストクラブ通い、ツケ払いOKが私を狂わせた
仕事が終わると毎晩ホストクラブに通い詰める生活になっていました。
ホストクラブでは、シャンパンを入れるとシャンパンコールというものがあります。
シャンパンコールとは、ホストたちが集まってシャンパンを入れたお客を盛り上げるパフォーマンスです。
シャンパンを入れた客を「姫」と呼び、アップテンポな曲を流し、大勢集まって盛り上げるコールをします。
若いホストたちに「姫、姫!」と呼ばれ、テンションを上げる仕組みです。
私も回数を重ねるごとに、どんどん調子に乗って行きました。
しかし、私が通っていたクラブでは、一番安いシャンパンでも1本8万円します。
高いシャンパンなら100万円以上で、そして「シャンパンタワー」のパフォーマンスもあります。
今考えると、とても恐ろしい買い物ですよね。
ちなみに先に値段の提示があるので、意図しない料金を請求される「ぼったくり」ではありません。
値段を分かったうえでオーダーしてしまうのです。
庶民が100万円なんて持ち歩きませんから、ホストクラブはツケ払いOKの制度になっています。
帰りに伝票にサインをするだけでいいのです。
帰るころは酔っ払っているので、伝票の金額も見ずにサインをしていました。
初めて彼のホストクラブに行ったとき、その月の支払いは30万円ほどでした。
初回料金があって、初めは「問題ない」料金でした。
しかし通い詰めるうち、シャンパンコールにのせられて、一晩で2、3本開けることも珍しくなくなりました。
金銭感覚がマヒしていくのです。
そして毎月の支払額がどんどん膨らんでいきました。
少額なら踏み倒すことは、可能かもしれません。
でも高額なら、ホストクラブの債権を闇金に譲渡して、闇金から怖い取り立てがあると聞きました。
3社からキャッシング800万!借金で借金を返す異常な心理へ
当時の年収は1000万円、手取りのお給料は60万ほどでした。
一般的に裕福は方だと思います。
なので、ドハマりする前の支払いは問題無い状態だったのです。
でもこれが間違いの一つ。
最初は収入内で支払いはできていましたが、ホストクラブはいろいろなイベントがあります。
中でもバースディイベントはホストが最も力を入れるイベントです。
彼から「バースディにシャンパンタワーをやってくれないか」と頼まれました。
値段はなんと200万!
彼の真剣な眼差しに、思わず「いいよ」と頷いてしまったのです。
すでに通い詰めていたそのころは、貯金も使い果たし、自分の生命保険や学資保険も解約していました。
200万をどう作ろうかと考えました。
思いついたのが、銀行のカードローン。
1つ作るとしばらくして、2社目、3社目と、借り入れる後ろめたさも失っていきました。
キャッシングでお金をまわす日々
そう時間がたたないうち、自転車操業が始まりました。
3社の銀行カードローンを申し込み、融資合計は700万円なったころ、
1社で200万借りてもう1社に200万を返済する、というかたちでお金をまわしていきます。
もちろん、そんな非常識な生活は長くは続かず、あっという間に支払いに窮することになります。
カードローンではこれ以上の融資ができなくなり、サラ金にも融資の申込みをしました。
でもサラ金から借りられる額は20万、30万で、焼け石に水でした。
借金が800万を超えたとき、どこからも融資ができなくなり最期に頼ったのが、闇金
銀行とサラ金で、借金が800万になっていました。
支払日は、5日、10日、25日、月末と、とにかくお金をまわすことに必死で仕事も手に付きません。
毎日パニック状態です。
ある時、明後日の10万円が払えないとなった日、いつものようにサラ金に申し込みをしました。
でもサラ金からの返事は、「ご希望に沿うことはできません」というものでした。
何社も申し込みをしましたが、これ以上お金を借りることはできませんでした。
それでも私はホストクラブに通っていたのです。
明後日の10万円が払えないっていうのに、ホストクラブではツケで20万使うという、判断力を完全に失くしていたのです。
そんな日、帰宅して郵便受けにはあるチラシが入っていました。
「即日融資100万円」
そのチラシを大事にかばんにしまい、次の日電話をすることにします。
本当の地獄の始まりでした。
闇金のチラシに「助かった」…でも本当の地獄の門が開いた瞬間だった
今思えば、この時点で弁護士に駆け込み、債務整理の相談をすべきでした。
(関連する借金600万円の債務整理のページもお読みください)
でもパニック状態の私には、お金を借りられるならそうしたいという発想です。
チラシの電話番号に恐る恐る電話をしました。
その会社が闇金だということはわかっています。
闇金でもなんでもいいから、とにかくお金を借りたかった。
正常な精神状態ではありません。
とにかくお金が必要だったのです。
カードローンの返済支払い、ホストクラブのツケの支払い、電気もガスも止められそうです。
私は闇金にすがるように電話をしていたのです。
最初の闇金で借りたお金は30万円でした。
返済はトイチ(10日に1度の返済)、ヤバイよマジで
闇金の返済は、10日に1度、1割の利息を払います。
30万借りた私は、10日後に3万利息を払わなければいけません。
闇金で借金するときは身内の連絡先、会社などあらゆることを聞かれます。
返済が1日でも遅れると、それらすべてに連絡がきます。
絶対に支払いに遅れることはできませんでした。
また、闇金に借金をすると、いろいろな闇金から「お金貸しますよ」と電話が掛かってきます。
あれよあれよという間に、闇金の借金は増えていきました。
やがて私は毎日、借金の返済をしなければいけない状況になっていきました。
借金地獄で風俗で働くことに!がむしゃらに働いたけど、でも無理だった
私は、風俗で働くことを決心します。
ホストクラブの客は、風俗嬢が多いのです。
みんな、身体を売ってホストに貢いでいます。
自分が風俗嬢になることに抵抗はなかったような記憶があります。
決心した私は風俗の面接を受けに行きました。
昼間は会社、夜はデリヘルと二重生活が始まりました。
41歳になっていました。
返しても、返しても借金は減らない
私が風俗で稼ぐお金は毎日6万くらいでした。
休みなく働いていたので、1週間で21万稼ぐことになります。
風俗で月に60万以上と、会社の給料が60万で120万の収入がありましたが、返済には追いつきません。
トイチの借金は、返しても、返しても減らないのです。
そんな状況に陥っているのに、ホストクラブ通いはやめられませんでした。
ホストの彼は私が風俗で働いたことで、今まで以上に私にお金を使わせようとします。
借金と風俗とホスト、私は完全に狂っていました。
そんな日々が半年ほど続き、私はとうとう身体を壊してしまいます。
返済が遅れて闇金から会社に連絡が入る
身体を壊した私は、会社に行けなくなりデリヘルでも働けなくなりました。
闇金から会社や親戚、別れた夫にも連絡が入りました。
携帯は督促の電話で鳴り止みません。
私は電話の音が怖くて仕方がなかった。
闇金からは家に電報もきます。
留守電には「金返せ!ゴミ!」と入っています。
子供のために警察に駆け込んだ!だが対応に失望する
子供の携帯にも闇金は督促の電話をしてきます。
子供たちに責められ、別れた夫にも責められ地獄でした。
私は、警察に駆け込みました。
対応してくれた刑事さんは、闇金に電話をしてくれましたが警察じゃだめなのです。
督促の電話を止めるのには弁護士でないと対応できません。
結局、警察では話にならず私は弁護士に相談することを決心します。
勇気をもって弁護士のもとへ!大丈夫ですという言葉に心を救われ、蜘蛛の糸にすがる
警察からの帰りにフラフラになりながら、弁護士事務所を探しました。
その足で弁護士事務所に行こうと決めていたのです。
ネットで弁護士事務所を検索して、電話をするとすぐに対応してもらえることになりました。
必死で弁護士事務所にたどり着き、弁護士を見た途端、涙が止まらなくなりました。
途切れ、途切れに経緯を話すと、弁護士は「わかりました。受任通知を送ります」と言いました。
受任通知とは、債務整理の準備に入ったことを債権者に知らせることで督促を止めさせる通知のことです。
しかし、債務整理にもお金が掛かります。
私は会社に居づらくなって会社を辞めていました。
無職だったのです。
目の前にいる弁護士だけが頼りです。
法テラスを使って弁護士費用を工面した
「費用なら法テラスを使いましょう」と弁護士が言いました。
法テラスは、弁護士費用が払えない人を救済する国によって設立された法務省所管の公的な法人のことです。
弁護士は、私を責めることもなく淡々と手続きを進めていきます。
弁護士事務所に相談した翌日から、督促の電話はこなくなりました。
私の場合は、借金理由がホストクラブでの散財になります。
自己破産をしても免責がおりるか微妙でした。
弁護士と相談して個人再生手続きにはいりました。
闇金の借金は返済義務がないのでチャラになりますが、カードローン、サラ金と合わせて680万の借金が残ることになりました。
個人再生で減額されて、借金は約200万になりました。
5年間の返済で月々約3万円です。
個人再生するにしても、無職だとどうしょうもありません。
私は必死で仕事を探し、なんとかコールセンターの仕事を見つけました。
借りていた闇金は東京の闇金でした。
直接的な嫌がらせはなかったです。
しかし、都内に住んでいたらなんらかの直接的な嫌がらせがあったかも知れません。
月々5000円を返済しました。
住宅ローン地獄!身の丈に合わないマンション購入で後悔【収入の4割返済】
まとめ。闇金、ダメ絶対。破滅の末路!
ホストにハマって借金、風俗とありがちな話ですが本当の経験です。
私の借金は、すべて自分の責任で起こした問題です。
私の破滅までの流れ
- 「お姉さんが綺麗だから」の声掛けをきっかけにホストクラブにどっぷりハマる
- 料金支払いのため消費者金融から借りだす
- 借金で借金を返す日々で精神崩壊
- 借金が800万円を超えるとどこからも借りることができず
- 闇金に手を出しトイチ(10日で10%の利息)の返済地獄へ
- 昼の仕事と風俗嬢で返済を続ける
- 身体を壊し返済不能へ
- 闇金から地獄の取り立て
- 警察へ駆け込むも何も助けてくれず
- やっと弁護士へたどり着き取り立てがストップ
- 「個人再生」で人生をやり直すチャンスを得ました。
あらゆるところに迷惑をかけてしまいました。
何よりも子供たちを傷つけてしまったことが悔やまれます。
闇金でお金を借りると、破滅が待っているだけです。
闇金に行く前に、弁護士に相談してください。
私がそうであったように、必ず解決方法が見つかります。