注文住宅の間取りは、完全にカスタマイズ可能で、理想の住まいを実現できます。
間取りが良い家は、住みやすく、快適です。
ほとんどの人は子育てファミリー世帯と思いますので、子育てがしやすい環境を手に入れたいはず。
しかしながら、良かれと思って計画したのに、住んでみると「失敗した」と後悔することもしばしば…。
知り合いの一級建築士さんの自宅でも「失敗した」と聞いたことがあります。
それだけ間取りを考えるのは難しい工程です。
このページでは、間取り計画の基本をご紹介します。
基本を知ることで、間取り計画の足掛かりになるはずです。
そして先人たちの「良かった間取り」「失敗した間取り」も確認することで、大失敗を避けることができます。
では私の経験と先輩たちの経験を取り入れた、間取り計画の基本をチェックしていきましょう。
間取りとは?注文住宅の超重要計画!
住宅の部屋の配置のことを「間取り(まどり)」と言います。
例えば、自分の家を思い浮かべてみてください。
リビングはどこにあるか、
キッチンはどこにあるか、
ベッドルームは何部屋あるか、
トイレや玄関はどこか、
それらの部屋がどう配置されているかを考えるのが「間取り」です。
住宅の「間取り」は、家族の生活を快適にするためにとても大切。
部屋の配置や広さを工夫することで、家事がしやすくなったり、家族同士が快適に過ごせる空間がつくれます。
そして「間取り」がわかる図面を「間取り図」と言います。
間取り図を理解できるようになろう
間取り図を見ると、部屋の位置関係が一目でわかります。
設計者の脳内にあったイメージが、他の誰でもわかるよう見える化した図面です。
間取り図には方角も示されているので、太陽の位置を想像しながら、東西南北の部屋の状況を想像できます。
(多くは上が「北」で描かれます)
また、間取り図を見れば、部屋の大きさ・位置、ドアや窓の位置もわかります。
そのため人の動きを想像することができます。
間取りを考える基本
「間取り」はその家の心臓部です。
家族の日常生活や快適さに大きな影響を与えます。
理想的な住環境を実現するための間取りのポイントを紹介します。
土地の状況を考慮しよう
まず、間取りを計画する際に考慮すべき最も重要な要素は土地の状況です。
- 土地の広さ
- 形状
- 日当たり
- 周囲の建物
- 高低差
- 道路の位置
これらの要素が間取りに大きな影響を与えます。
例えば、日当たりが良くない場合は、2階にリビングを作る方法があります。
土地の特性を最大限に活かす間取りを検討しましょう。
まずは絶対必要な部屋の配置から検討する
間取りを考える際に、絶対必要な部屋をまず確保しましょう。
- リビング
- ダイニングとキッチン
- ベッドルーム
- バスルーム
- トイレ
- 玄関
など。
そのあと余裕があれば、
- 和室
- 子供部屋
- 書斎
- その他
の配置を考えていきます。
水廻りは一カ所にまとめるのが基本
「水廻り(みずまわり)」とは、「水」を利用する部屋をまとめた言い方です。
例えばコチラ。
- キッチン
- バスルーム
- トイレ
- 洗面所
- 洗濯場
これら「水廻り」は一カ所にまとめる方が、オトクです!
水廻りをまとめるメリット
- 家事効率が良い
大きな作業時間が取られる家事と言えば「料理」「洗濯」です。
料理と洗濯を同時進行!の場合も多いはず。
キッチンと洗濯場がすぐ近くにあると、家事効率が良くなります。 - コストダウンと省スペースになる
一カ所に水廻りをまとめると、配管の長さを最小限に抑えられ、コストダウンできます。
特にお湯は、配管が短いほど光熱費が下がります。
また、配管スペースが節約されることで、他の用途に使える余地が生まれます。 - メンテナンスのしやすさ
同じエリアに設備が集中しているため、メンテナンスや修理が行いやすくなります。
配管の点検が容易であるため、問題の早期発見と対処が可能です。 - コミュニケーションの取りやすさ
家族が同じエリアに集まることが多いため、家族の会話がしやすくなります。
料理や洗濯をしながら家族と会話するなど、家族の絆が深まります。
もし水廻りを分散させた場合は、上記メリットの逆が起こります。
水廻りを「分散」させた場合
- 家事効率の悪化
- コストアップと無駄スペースを取る(床下が混雑)
- メンテナンスの複雑化
- コミュニケーションがしづらいかも
水廻りを一カ所にまとめる設計がセオリーですが、家族のニーズや土地の状況に応じて分散させることもあります。
例えば、2階にキッチン、1階に洗濯場など。
セオリーに反する間取りにしたい場合は、設計士などプロの意見をしっかり理解しましょう。
効率よい「動線」を考えよう
「動線(どうせん)」とは、人の動きを表す「線」のことです。
動きが複雑な線より、部屋A→部屋Bと、シンプルな線になるほど、良い間取りとなります。
そして短いほど良いです。
もしテキトーな間取りにしてしまうと、動線が悪くなり、生活の質が落ちます。
動線には次の3つがあります。
- 家事導線
料理(作る・配膳・片付け)、洗濯(洗う・干す・取り込む)、掃除の動きを表す線 - 生活動線
家事以外の動きを表す線 - 来客動線
来客者の動きを表す線
部屋間をスムーズに移動できるように、部屋の位置、通路の幅、大型家具の配置を検討しましょう。
動線が良く設計されていると、家事や日常生活が快適になります。
家事導線とは?
- 料理の動き
- 冷蔵庫から食材と取り出す
- 調理台で食材を切る
- コンロで炒める
- 食器に盛り付ける
- 食卓に運ぶ
- 食器を洗ってしまう
- 調理で出たゴミを片付ける
- 洗濯の動き
- 洗濯機で洗う
- 干す
- 取り込む
- たたむ
- しまう
- 掃除の動き
- 散らかったものをしまう
- 掃除機など掃除道具を取り出す
- お掃除
- 掃除道具を片付ける
これらが効率よく動けるか検討しましょう。
例えば洗濯物干し。
乾く前の湿った洗濯物はかなりの重量です。
そのため、洗濯機から干場までは近いほうがラクです。
ウチは、洗濯機の前にハンガーをかけるスペースがあります。
洗濯物をその場でハンガーにかけて、すぐ隣の干場に持っていく動きなので、動線がグッと短くラクです。
生活導線とは?
生活導線とは、家事導線以外の動き、例えばお風呂、トイレ、リビングでくつろぐ、寝る、などの移動を表す動線のことです。
そして生活動線と家事導線は、クロスさせないことが基本です。
もしキッチン内を通って風呂場に行く間取りにした場合、どうなるでしょうか?
想像してみましょう。
あなたはキッチンで天ぷらを揚げています。
子供部屋から出てきた子が、あなたのすぐ後ろをダッシュで通過して、風呂場に行きます。
この動きヤバいですよね?
いつか事故が起きます…。
もしキッチン内を通過して移動する部屋の配置になってしまったら、間取りを再検討してください。
家事導線と生活動線がクロスすると、思わぬ事故が起こります。
(ダイニングとのクロスなら、たぶんセーフ)
できるだけ生活動線と家事導線が重ならない間取りを検討しましょう。
来客導線とは?
来客導線とは、来客を家に招き入れるときの、来客の動きを表した動線です。
玄関
↓
廊下
↓
客間
の動きです。
最近は客間を設けず、リビングで代用することが多いです。
土地が限られますから…。
もしリビングに来客があったとき、トイレ、脱衣所、風呂が一直線に丸見えだと、アレじゃないですか?
ごく近い関係の親族ならまだしも、業者さんみたいな、関係が遠い人にプライベートゾーンを丸見え状態はよくありません。
家族も来客も嫌な雰囲気になります。
また、来客を案内途中の廊下からも、プライベートゾーンが丸見えにならないよう工夫が必要です。
え、ウチ?
リビングからすべての部屋にアクセスできる、廊下ナシ間取りなので、リビングから脱衣所が丸見えギリギリ😅
一応扉1枚で仕切っていますけど、家族が来客に気づかず着替え中に扉開けちゃうと、「あらまー!🫣」となるリスクがあります…。
招き入れる客は、ほぼ無しのライフスタイルなので、来客動線はゆるめです😑
もし来客が多めでしたら、来客動線をしっかり考えましょう。
子供の成長や家族の変化に対応できる間取りを計画しよう
家族は変化します。
子供が成長し、いつか巣立ちます。(子ども部屋おじさん・おばさんありますが…)
または新たな家族が増えることもあります。(おめでとう!)
将来の同居人数の変化に対応できるよう、間取りに柔軟性を持たせましょう。
例えば、子供部屋は強固な壁にせず、撤去可能にする方法があります。
例
幼児や小学校の間は部屋を仕切らず1つの空間に
↓
中学生以降は部屋を仕切って子供部屋を個室に
↓
巣立った後は仕切りを撤去し1つの部屋に(または趣味部屋に改装)
柔軟性を可能にするためには、仕切る場所には構造体(家の骨組み。切ったらヤバいヤツ)を使わない方が良いでしょう。
ウチはRC造のラーメン構造にすることで、撤去可能な仕切り壁を入れやすくしました。
間取りを考える時の心がけ
「完璧な間取り」はムリ(完成できない)
家づくりというイベントは、決して「完成」できるものではありません。
子どもの成長や家族構成の変化、住んでから起こる新しい要望に対応するために、時には家をアップデートする必要があります。
「完璧な間取り」にしたつもりでも数年で、使いにくくなる可能性があります。
子どもはいつか巣立ちます。
部屋の使い道や配置を変えやすくする工夫が必要です。
サグラダファミリアよろしく、家は一生あなた好みの完成にならないと心得ましょう。
もしくはあなた好み100%を達成したとしても、あなた以外の家族は不満があるかもしれません。
机上論では気づかなかった問題にも直面します。
将来の変化を想定し、柔軟性を持たせることが大切です。
必ず「失敗した」がある事を想定する(失敗を最小限に抑える)
大小ありますが、家づくりでは「失敗」は避けられません。
しかし、その失敗から学び、適応していくことが重要です。
「再起不能な失敗」を避けるポイントを、このページではご紹介しております。
間取りを計画する際には、完璧な設計を追求するのではなく、失敗を最小限に抑えるための予防策を考えることが大切です。また、予算を適切に管理し、余裕を持たせることも失敗を軽減します。
例えばウチは、大きな失敗ではないですが、ハイサイドライトを失敗しました。
引き違い窓にしてしまいましたが、手が届かず一切開閉することはありません…。
掃除も大変だし、はめ殺し窓(FIX窓:ガラスをはめ込んだだけの開閉できない窓)にすればよかったと思います。
ほか一生懸命考えたのに「失敗した」箇所がいくつもあります😑
間取り図の机上論では想定できない、住んで気づくことが多々あります。
大失敗を避けるには、あなたが十分な知識を付けるしかありません。
リフォームのしやすさも検討しておく
一応どんな家でもリフォームは可能ですが、リフォームしやすい間取りにしておくと、改装費が安く済みます。
特に構造体をいじるリフォームは費用が多くかかります。
あの番組の「アフター」状態は、庶民が簡単には出せない費用がかかっています。
(「○○は番組負担」の記載ありでした)
例えば、新築では断念したアイランドキッチンをリフォームで入れようとします。
でもコイツは面積メッチャ食うので、リフォームしても設置できない可能性があります。
撤去できない柱や壁にかかるなど。
「リフォームでアイランドキッチン入れられるようにしてね」
と設計士に伝えて間取り計画すれば、将来の可能性が広がります。
年齢に応じて好みは必ず変化します。
リフォームのことも念頭に置いた間取りをおすすめします。
風水を気にするなら初めから設計士に伝えておく
風水を重視する場合、間取りや配置に特別な注意が必要です。
完成に近づいた間取りを「風水的にNGだからやり直し」にすると、トラブルになる可能性があります。
またはやり直しがきかない場合、風水でNGと知りながら住み続けるのは気分が良くないはず。
風水を設計に取り入れたい場合は、風水の専門家にアドバイスを受け、初めから設計士に伝えることが賢明です。
施主のあなたは素人であるを理解つつ、チャレンジもOK
プロの設計士(建築家)は長年の経験を持ち、間取りに関する専門知識を持っています。
彼らの提案や意見に耳を傾け、施主としてのあなたは知識が限られていることを認識しましょう。
どこかで仕入れてきたステキな部屋・間取りが、実は構造的にムリが出たり、コストアップしたりがあるかもしれません。
とは言っても、間取りの基本は大切ですが、時には新しいアイデアや独自のアプローチが良い結果をもたらすこともあります。
ウチでは、3LDKプランから1LDKに変更しました!
仕切り壁を移動させれば1R(ワンルーム)にもなります。
全部屋が一続きの広い空間が気持ちいいです♪
多くの人にとって、家づくりは一生に一度のチャレンジ。
間取りのセオリーから外れる検討をする際は、プロの意見を聞きつつも、憧れ実現も考えましょう。
ハイテンションになりすぎもご注意
家づくりはとてもエキサイティングなイベントです。
とってもワクワクします!
私も可能ならもう一度やりたい😁
過度の興奮から無理なアイデアや変更が出てくることがあります。
例えば、庭に固定のプール!
子どもやワンちゃんが水遊びしたり、
プールサイドでBBQ、
日ごろのエクササイズ…
憧れますよね、ステキです。
でもメンテの大変さや維持費にうんざりして、結局使われないかも知れません。
小さい子がいるなら、事故の懸念もあります。
イザ撤去しようにも多額の費用がかかるでしょう。
やはり空気で膨らますタイプのプールが現実的かもしれません。
家づくり計画中はハイテンションになります。
気分が高揚してあれもこれもやりたくなります。(私)
そんな時の、設計士の助言はちゃんと聞いてください。
メリット・デメリット、懸念など。
大胆な計画をする場合は、時間をおいて十分検討しましょう。
後付け可能ならそうする
家を建てる際、後から追加や変更がしやすい設計が望ましい場合があります。
たとえば、将来的に部屋を増築したり、新しい設備を追加したりする余地を残すことが、家の柔軟性を高めます。
住んでから気づくことが良くあります。
突っ張りタイプの間仕切りもあります。
後で自分で、コストを抑えて改装していくのもおすすめです。
間取りを決める手順
家づくりで一番楽しい工程は間取り計画です。
経験者が語る、成功のポイントをご紹介します。
間取りを決める手順
- 家族の希望をいったんすべて出す
- 情報収集をして本当に必要な部屋だけに絞る
- ゾーニングを行う
- 部屋・収納・ドア・窓を当てはめ動線を確認
- 家族の変化に対応できるかチェックする
- 設計士など専門家の提案や意見を聞く
- 予算を確認
- 納得できるまで①~⑦を繰り返す
①家族の希望をいったんすべて出す
まず、家族の希望を集めましょう。
家族それぞれがどんな部屋や機能を望んでいるか、アイデアを出し合いましょう。
この段階ではどんな希望も取り入れ、制約を考えずにアイデアを広げることが大切です。
アイデアを出すためには、ネットや書籍から間取り事例を集める必要があります。
書籍はいちいち買っていると経済負担が大きいです。
おすすめは図書館。
無料で情報集めができるのでおすすめです。
②情報収集をして本当に必要な部屋だけに絞る
次に、実現したい部屋に関する、くわしい情報を調べます。
他の住宅やインテリアデザインに関する情報を集め、本当に必要な部屋や機能を絞り込みましょう。
過剰なスペースや機能は後々の維持管理費用を増やす原因になります。
③ゾーニングを行う
間取りを決める際には、ゾーニングが重要です。
リビングエリア、寝室エリア、キッチンエリアなど、適切なエリアを設け、家族の日常生活がスムーズに行えるように計画しましょう。
④部屋・収納・ドア・窓を当てはめ動線を確認
具体的な部屋の配置、収納スペース、ドアや窓の位置を検討し、家の動線を確認しましょう。
部屋同士や室内外の連携がスムーズであるかをチェックします。
⑤家族の変化に対応できるかチェックする
将来の家族構成の変化や、高齢化に備えて、間取りが柔軟に対応できるかどうかを確認しましょう。
部屋の使い道やアクセスが変更可能であるかを考えます。
⑥設計士など専門家の提案や意見を聞く
プロの設計士や建築家の提案や意見は貴重です。
彼らは経験豊富で、効率的な間取りやデザインのアイデアを提供してくれます。
専門家のアドバイスを受け入れ、間取りの改善に役立てましょう。
⑦予算を確認
間取りを計画する際には、予算を常に意識しましょう。
予算内で理想的な間取りを実現するために、必要な調整や優先順位の設定が必要です。
⑧納得できるまで①~⑦を繰り返す
最終的な間取りが固まるまで、①から⑦までの手順を何度も繰り返しましょう。
また、上記の順序は明確に決まっているわけではありません。
例えば、
②と③を繰り返す、
⑤がチェックNGなので①からやり直す、
など、それぞれ個別の手順を何度も繰り返すことになります。
「ちゃぶ台返し」な変更はしょっちゅうあるので、時間にゆとりを持ち、慎重に検討することが大事です。
慎重な計画と熟考が、後悔を避け、理想の家づくり実現につながります。
ゾーニングの基本
注文住宅の間取りを計画する際に、ゾーニングは非常に重要です。
ゾーニングとは、それぞれの部屋をグループ化して、大まかな配置を決める作業のことです。
似た機能の部屋は、くっつけて配置したほうが生活しやすくなります。
想像してみてください。
もし風呂場と洗濯場が離れた場所にあったらどうると思いますか?
脱いだ服をあっちの部屋(洗濯場)に持っていくって、非常に面倒ですよね?
裸のまま移動することになります…。
この例は極端ですが、「似た機能」の部屋はくっつけて配置するのがセオリーです。
そしてこの似た機能グループを配置することが、「ゾーニング」という作業となります。
部屋の機能は大きく4つに分けられます。
- パブリックゾーン
- プライベートゾーン
- サービスゾーン
- 移動ゾーン
では詳しく説明していきます。
パブリックゾーンとは?
パブリックゾーンとは、家の中で「一般公開」されているエリアです。
パブリックゾーンに配置する部屋の例
- 玄関
- リビングルーム
- ダイニングルーム
- キッチン
- 客間
これらのエリアは家族や来客が集まる場所であり、コミュニケーションと交流が生まれる場所でもあります。
パブリックゾーンは広く開放的なデザインが求められ、明るくアクセスしやすいように配置されることが一般的です。
パブリックゾーンに予算を多くかけると、来客者は「おぉ、オシャレ!」と感じてもらいやすくなります。
そしてリビングで多くの時間を過ごす家族も、快適さを感じやすくなるはず。
その分ほかのゾーンの部屋はコストカットで予算調整し、メリハリある家づくりはいかがでしょうか?
寝室や浴室など、来客者の目に触れにくい場所は、コストカットしやすくなります。
全ての部屋を平均的な予算配分の家
or
一点豪華主義で特徴が際立つ家
あなたのお好みはどっち?
プライベートゾーンとは?
プライベートゾーンとは、通常は来客者を招き入れず、家族だけで過ごすエリアです。
プライベートゾーンに配置する部屋の例
- 寝室
- 子供部屋
- 書斎・仕事部屋
これらのエリアは静かで落ち着いた雰囲気が求められ、他のゾーンから適切に隔てられることが重要です。
プライベートゾーンは、家族それぞれの個室やくつろぎのスペースになります。
ウチでは、可動式間仕切りで部屋を分けることができるので、
ある時はパブリックゾーン、
ある時はプライベートゾーン、
と変化します。
たまに来客があるとき、就寝時の冷暖房効かせるときに、部屋を区切る使い方です。
そうすることで、広くない延べ床面積でも、プライベートゾーンをパブリックゾーン化して、広く気持ちいいリビングに変化できて楽しいです。
サービスゾーンとは?
サービスゾーンは家事やサービスに関連するエリアです。
サービスゾーンに配置する部屋の例
- トイレ
- 浴室
- 脱衣室
- 洗濯室
主に「水廻り」が該当します。
これらのエリアは機能性が重視され、家事が効率的に行えるように設計されます。
また、サービスゾーンはパブリックゾーンやプライベートゾーンからアクセスしやすく配置されることが一般的です。
移動ゾーンとは?
移動ゾーンは家の中を繋げるエリアで、廊下や階段などが含まれます。
これらのエリアは家の各ゾーンをつなぎ、スムーズな移動をサポートします。
移動ゾーンは無駄なスペースを最小限に抑え、家の各部屋に効率的にアクセスできるようにデザインされます。
ゾーニングを理解し、適切に計画することで、注文住宅の間取りはより快適で機能的なものとなります。
各ゾーンの役割と配置を検討し、家族のライフスタイルに合った理想の住環境を実現しましょう。
ゾーニングを考える手順
ゾーニングを行うときはまず、敷地の形と道路の位置関係から考え始めます。
日当たりと風通しを考え、次に家事動線を考えていきます。
ではこの時の手順をご紹介します。
敷地と道路の位置関係からゾーン配置を考える
ゾーニングの第一歩は、敷地と道路の位置関係から始まります。
敷地の形や周囲の環境によって、ゾーンの配置が大きく関係します。
例えば、南向きの敷地であれば、リビングを南側に配置することで日当たりを最大限に活かすことができます。
つまり、「パブリックゾーン」は南側となるのがセオリーです。
そして道路の位置も超重要です。
なぜならば、道路の位置は日当たりと風通しに関係するからです。
敷地の東西南北どこに道路が接するかで、間取りがおおむね決まります。
日当たりの良いエリアにはパブリックゾーンを配置、風通しの良い場所にはプライベートゾーンを配置することで、快適な空間を作ることができます。
道路からのアクセス状況で、エントランスの位置や駐車スペースも決まります。
敷地と道路の位置関係を考慮しながら、ゾーンの配置を計画しましょう。
家事動線を考える
ゾーニング計画では、家事動線のスムーズさも重要な要素です。
例えば、台所からダイニングエリアへの動線は、配膳と片付けをスムーズに行えるかを考慮をしなければなりません。
また、洗濯室から洗濯物を干す場所への動線も重要です。
家事動線を考えながら、各ゾーンの配置を考えましょう。
廊下を設けないメリット
「サザエさんの家」や「のび太の家」はしっかり廊下があります。
でも最近の間取りのトレンドとして「廊下を設けない家」が増えています。
なぜでしょうか?
部屋を広くすることができる!
廊下は移動のためのスペースであり、通常、生活空間としては使われません。
廊下を設けないということは、その分の面積を、リビングや寝室、キッチンなど、生活に直結する部屋に充てられます。
例えば、タタミ3枚分の廊下面積を、リビング、寝室、書斎などに割り当てれば、より気持ちいい空間にできます。
コストダウンに!
廊下分の面積をほかの部屋に回すのではなく、そのまま削減し、コンパクトな家にもできます。
コンパクトにすれば、建築費と光熱費(初期費用と維持費)を大きく削れます。
削ったコストは太陽光発電や蓄電池など、設備に回せます。
時短!
廊下を設けない間取りの多くは、リビングを中心に各部屋へアクセスします。
廊下を通らずに直接部屋へ移動できるので、時間の無駄が少なくなり、時短行動になります。
サザエさんの家を想像してみましょう。
カツオ君は、
部屋→廊下→居間
の動きをします。
もし廊下が無い間取りだと、
部屋→居間
とショートカットできるのです!
寝室を出たらすぐ、リビングのソファーに座れます。
そして家族が接する機会も増え、コミュニケーションが密になり、より温かい家庭生活も期待できます。
建てた家では長期間生活します。
節約した時間は「ちりも積もれば山となる」となって、別の用途で時間が使えます!
“タイパ”重視なら廊下無しはおすすめです。
廊下を設けないデメリット
もちろん廊下が無いデメリットもあります。
プライバシーの侵害
廊下がなければ、リビングから直接寝室に行くことができますが、家族全員の行動が丸見えになり、プライバシーが保たれにくいのです。
特にティーンエイジャーの子供がいる家庭では、小さくない問題になります。
両親と距離を取りたい反抗期な子供にとっては、いちいち詮索される顔合わせ空間が「ウザい」となる可能性があります。
(短期間で終わると信じたい…)
もしくは、サプライズイベントや何かこっそり行動したいw時に、それがやりにくくなるかもしれません。
音が漏れやすい
廊下を隔てないため、リビングから発生する音が直接寝室に届く事になります。
例えば、夜遅くまでテレビを見たり、早朝に料理を始める場合、寝ている家族の休息をじゃますることに。
廊下があれば、その騒音をある程度遮断する、別の部屋への防音装置として働きます。
ウチは、リビングと寝室を可動式間仕切りのパネル一枚で仕切っている、廊下が無い間取りなので音がダダ洩れです…。
部屋ごとの空調効率が良くない
廊下無し間取りはそれぞれの空間が広くなり、冷暖房の効率が落ちます。
そのため光熱費が上がるかもしれません。
廊下がある場合のこちら、
部屋A⇔廊下⇔部屋B
部屋AとBの気密性を確保しやすく、それぞれの部屋で冷暖房効果を高められます。
一方、廊下無し間取りだと、
部屋A⇔リビング⇔部屋B
それぞれの部屋で出入りが多くなるので、外気も入って来やすく、冷暖房効果が落ちます。
やって良かったと良く言われる、おすすめの間取り
「回遊性」と「変化に対応できる」間取り
書籍からネットまで、多くのメディアで取り上げられる便利な間取りの一つに「回遊できる間取り」と「変化に対応できる」があります。
行き止まりで引き返す動きよりも、ぐるっと回れる間取りは動きに無駄が無く、家事がラクになります。
子供の成長と将来の独立を考え、その都度変化に対応できるようにすれば、生活がしやすくなります。
この間取りの特長
- 平屋・2LDK・4人家族向き
- 家事ラクな回遊できる間取り
玄関→パントリー→キッチン→クローゼット→水回り→リビング→玄関 - 部屋はコンパクトだが、その他の畳スペース、スタディスペース、ファミリークローゼットがあることで、生活しやすさを確保
- トイレは2つ。玄関トイレの来客用、洗面所そばの家族用。
- 将来的に子供室と畳スペースは、ひとつの大部屋にすることも可能。リフォームしやすさに対応
後はセオリーに従って、日当たりの良い南側にリビングと庭を配置しています。
また、北側にも植栽を設けると、道路からの視線をカットしつつ街並みを整える事ができます。
私の家も、
キッチン→リビング、水廻り→干場(外)→キッチン
と回遊性があり、家事が楽にできます。
家事で多くの手間がかかる、料理と洗濯。
この2つを接近させると、家事がとても楽になります!
取り入れることが可能なら、回遊性のある間取りを積極的に検討しましょう。
体験談:先輩たちのやってよかった間取り
「やってよかった間取り」についてWebアンケート調査を行いました。
(調査方法:某クラウドソーシングサイト/調査日:2023年9月)
回答をいただいた中から、いくつかピックアップしてご紹介します。
2カ所から出入りできる和室
来客があったとき、リビングを通らなくても和室に案内できるので、助かります。
またこの和室では家族がちょっと仮眠する時や、子供が体調不良で休む時に見守りやすいので重宝しています。
(三重県/30代)
蔵収納
収納が爆発的に増えて、長物も横に寝かせて収納できます。
どんな物でも入れることができるので、急な来客時なども便利。
奥にあまり使わない物、手前側には良く使うものを置いて出し入れしやすくしています。
(東京都/30代)
参考イメージ
サンルーフ
昼間の電気料金が節約出来るので助かります。
なるべく、エネルギーを使わない住宅にしたかったのでサンルーフを付けたら家族から良い評判でした。
(福岡県久留米市/30代)
参考イメージ
引用:リクシル
カーポート
車検でスタッフの方に「カーポートをつけると車の寿命が伸びる」と言われました。
お金が少しかかりますがカーポートをつけて良かったです。
(千葉県/60代)
参考イメージ
25畳の広いリビング
子供のお友達や、その家族が来たときに、みんなで楽ワイワイしくお食事会ができるのでとても楽しいです。
(熊本県/30代)
参考イメージ
回遊できる間取り
階段はリビング階段のため、家族がどこにいてもお互いの気配を感じられることが良かった。
心配だった冷暖房の効果ですが、夏は2階のエアコンだけで1階も冷えるし、冬はその逆で、あまり問題無く使えています。
(静岡県/50代)
LDK→洗面所→ファミリークローク→物干しスペース→和室→LDK
が全て扉1枚で繋がっているので、どちら回りでも出入りできてとても便利です。
(新潟県/30代)
参考イメージ
サンルーム
サンルームを一階に作ったことで洗濯物の出し入れが楽になり、雨の日でも気兼ねなくたくさん干せるようになったことも良かったです。
階段の昇り降りをしなくても洗濯物を干すことができ、家事がとても楽になりました。
(千葉県/40代)
参考イメージ
勾配天井にしたリビング
リビングは広くしたい人が多いと思うので、勾配天井はオススメです。
(愛知県長久手市/40代)
参考イメージ
キッチンから全体を見渡せる
壁に向くより、リビングに向ける対面キッチンがおすすめです。
(静岡県/40代)
参考イメージ
広い玄関
玄関→シューズインクローゼット→洗面所
まで直通で行ける動線にしたのでとても便利です。
家に入ってすぐ洗面所に行けるので衛生面もいいです。
玄関周りにゆとりがあるのでベビーカーもそのまま入るし、荷物が多くても出入りが楽です。
(東京都渋谷区/30代)
参考イメージ
子供部屋なしプラン
そのうち一つのゲストルームでは、友人が来た時にその部屋を使って貰えるので良いなと思いました。
(大阪府大阪市/20代)
ビルトイン駐車場
おかげで雨など天候の悪い日も焦ることなく乗り降りできる、夏の暑い日でも車内が高温になることなく乗れるので良かったです。
ビルトイン駐車場の上に部屋を配置し、日当たりもよく、人目も気にならないので生活しやすいです。
(神奈川県/30代)
参考イメージ
吹き抜けにしなくて正解
吹き抜けはエアコンが効きにくいし、掃除もしにくいので不採用にしました。
おかげで、吹き抜けにするはずだった部分に部屋を作ることができ、空間を有効活用できています。
(埼玉県さいたま市/30代)
吹き抜けではないリビング参考イメージ
リビング階段
帰宅した子供と顔を合わせられので、その時の様子がすぐ分かります。
とくに思春期の頃には正解だったと感じました。
(岐阜県/50代)
参考イメージ
洗濯物干しがラクになる動線
へ続く間取りにしたことで、家事がラク!
洗濯物を短距離で干すことができ、乾いたらファミリークローゼットにすぐしまえます。
時短家事な間取りです。
(千葉県/30代)
参考イメージ
リビングに大きなクローゼット
子どもの着替えのたびに、いちいち寝室に取りにいく必要がないし、遊びながら子どもと一緒に洗濯物を畳んで仕舞う家事も教えることができます。
また、仕事から帰ってきた夫もそこにスーツをかけています。
ソファの上に服を置きっぱなしにすることが無いのでスッキリできます。
(滋賀県/40代)
ハンガー立てを置かずにすっきり。
外出時の上掛け置きとカバン置きに活躍してます。
(埼玉県/50代)
子供の幼稚園のかばんや服を自分で片付けさせてます。子供部屋はありますが、小学生になってもランドセル置き場として重宝しそうです。
(岐阜県/30代)
参考イメージ
1階と2階それぞれにトイレ
旧宅のアパート時代はトイレが1つだったので、朝のトイレは家族同士奪い合い状態…。
特にお腹を下している時は地獄でした…。
そのツライ体験からトイレを2つにして、今では快適に使えています。
小さい子供はギリギリ状態になるまでトイレを教えてくれないので、すぐに連れて行けるのが本当に助かります。
自分が歳をとって頻尿になっても安心です。
(群馬県/30代)
トイレが2つある間取り例
玄関にトイレを配置
子供のお友達にトイレを貸す際、リビングを通らず玄関からすぐなので貸しやすいです。
家族も帰宅してリビングに入る前にトイレを使用することができ、子供がいる家庭には最適と思っています。
(愛知県名古屋市/50代)
参考イメージ
玄関に土間収納
子供の自転車やキャンプ道具、ゴルフ用品、捨てるダンボールを入れておくのに便利です。
扉もついているから、ゴチャっとした状況でも来客に見られることもなく、良かったなと感じています。
(茨城県/30代)
参考イメージ
小さい子がいる家には1階の和室が便利
寝室は2階なのですが、子供が小さいうちは危険なので、1階の和室で寝ることができるし、安心して遊ぶ部屋にも出来てよかった。
(大阪府/30代)
参考イメージ
玄関に手洗い器
帰って来てすぐに手を洗えるので衛生的です。
荷物のチョイ置き台もあるため、買い物の荷物を置いて手を洗えます。
新時代の間取りですね。
(京都府/30代)
参考イメージ
掃き出し窓すぐそばに駐車場
家の掃き出し窓のすぐそばに駐車場を配置したので、荷物の運び入れがラクです。
また寝入ってしまった子どもを、その掃き出し窓から運び入れることができるのも助かります。
(茨城県/30代)
参考イメージ
失敗が多い「やってはいけない」と言われる間取り
注文住宅の間取りで後悔を避けるために「やってはいけない間取り」について確認してみましょう。
※今回は風水(家相)的な「やってはいけない」は考慮していません
過剰に広い
大きなリビングは魅力的に思えますが、過剰に広いと以下のデメリットがあります。
- 落ち着かない
- 冷暖房が聞きにくい
- 収納スペースが無くなる
- 掃除が大変
- 声が響く
- 大きい窓を付けたことで日当たりが良すぎて暑い
めっちゃ広いリビング例
広くするのではなく、吹き抜けで開放感出す方法もあります。
適度な広さの部屋を設け、使いやすさを優先しましょう。
面積が中途半端な部屋
特にリビング和室に多い失敗ですが、中途半端な面積にしたことでd、
(逆に言えばモノを置いたらら寝るスペースがない)
- 寝るための部屋
- お茶を飲むためのくつろぎスペース
- 座るだけのスペース
など、用途をはっきりさせ、適切な面積を確保しましょう。
リビングやダイニングにトイレがある
ズバリ!音がヤバいです!
リビングやダイニングに、ドア1枚隔てたトイレだと、ブリっと音が丸聞こえになります。
家族だけならまだしも、もし来客者がブリっとしたら、家族も来客者も恥ずかしい雰囲気に…。
そしてニオイも漏れます…。
換気扇を付けていたとしても、完全に吸い取るには時間がかかります。
もし窓が付いている場合は、トイレの中に吹き込んだ風がドアを開けた瞬間、ブリっとしたニオイがリビングに。
トイレは廊下を挟んで設置をおすすめします。
脱衣所がリビングに接している
リビングは来客もあるパブリックゾーンです。
脱衣所とリビングをドア1枚で仕切った場合、来客に気づかず薄着で出てきた家族とバッタリすると「ワォッ!」です。
できるだけリビング側から離した場所に、脱衣所を設置しましょう。
玄関正面にトイレ
玄関から家の中に向かってすぐトイレだと、宅配業者の対応中に家族がトイレに入りづらいし、出れないし…。
来客者はトイレから出てきた家族にどうしても目が行くはず。
家族も来客者も気まずくなります。
玄関からすぐ正面に向かわない設置方法が良いです。
別の対策として、2つ目のトイレを別の場所に設置する方法もあります。
家族用は2つ目トイレを使い、玄関トイレは来客用など、用途を分ける使い方もあります。
西日が入りすぎる
ウチの実家では西向きに玄関ドアがありました。
換気のため良くドアを開けていたのですが、西日がガンガン入ってきて、明るすぎるし暑いし、不便でした。
対策として、西向き玄関ドアの対策としては、直接西日が入らないようドア前に壁を作る方法があります。
スリットを入れた壁でも良いでしょう。
西側の部屋は、日光がとても良く差し込み、夏はとても暑くなります。
窓は小さめが良いです。
そしてカーテンやロールスクリーンで調光できるようにしましょう。
特に水平に日光を仕切れるロールスクリーンは有効です。
玄関からリビングが一直線で視線が通ってしまう
宅配業者など、知らない人に家の中を見られるのは気持ちが良くありません。
キレイに片付いていたらまだマシですが、多くは生活感ある状況だと思います。
来客があるたびリビングを見られたら、イヤな気持ちになりストレスがたまります。
玄関から直接リビングに目線が通らない造りにしましょう。
バルコニー(ベランダ)
「結局使われない(無駄な設置費用)」
「掃除が手間だし維持費もかかる」
「泥棒の侵入経路を増やし防犯上良くない」
のご意見がよく聞かれます。
雨漏りの原因になりやすい、手すりもサビやすい、外壁塗装費用も掛かる、…などデメリットが多いです。
1階の日当たりが良くなく、どうしても2階以上に干場が必要なら設置OKです。
何となく「あったほうが良さそう」でバルコニーを付けるのはやめましょう。
ムダにならないよう、よーくご検討ください。
収納が少ない
広いリビングにあこがれますよね。
「リビングを広くしたら、収納場所が極端に少なくなった」
の失敗があります。
納戸型の一括収納と、部屋ごとの収納場所確保の2つがあると、生活しやすくなります。
ウチはリビングをグッと広くしたので収納場所が少なくなりました😅
大きく収納できる場所はロフトと、畳収納です。
広いリビングを作る際は、必ず収納をどうするか検討してください。
吹き抜け
開放的な吹き抜けは、あこがれますよね。
参考イメージ
「吹き抜けを作ったため暖房(冷房)が効かない、失敗した」
の声をよく聞きます。
憧れで、安易に吹き抜けを作ってはいけません。
ローコスト住宅で、断熱性低めで吹き抜けを作ると、失敗しますよ。
高気密・高断熱の高性能な家なら、吹き抜けOKです。
昨今は光熱費が高騰しています。
これから家づくりをするアナタは、光熱費のことも考えましょう。
暖房は下から上に暖かい空気が移動します。
吹き抜けのある部屋は、エアコンよりも床暖房が有効です。
または、シーリングファンで、上の暖かい空気を下に送るのも有効です。
その他思わぬやってしまう失敗例
家具・家電の搬入経路を確保していない!
新しい家ができたとき、このタイミングで家具や家電を買い換えることもあるでしょう。
楽しみの一つですよね。
しかし、その楽しみを台無しにしてしまうのが、家具や家電が搬入できないという失敗例です。
例えば、ベッドやソファ、冷蔵庫などを部屋に入れるためには、当然搬入経路の確保が必要です。
廊下からドアを開け、90度回転してリビングに入る間取りは失敗する可能性があります。
約2メートルの3人掛けソファーが運び入れられない!なんてことも…。
廊下からではなく掃き出し窓から搬入可能ならOKですが。
大型家具や冷蔵庫など、ちゃんと搬入経路も考えておきましょう。
キッチンのゴミ箱置き場がない!
新居にて、高価なシステムキッチンを作った、さぁ料理しよう!ってときに、「あ、ゴミ箱置き場がない…」という笑えない失敗もあるようです。
キッチンに必要な面積は、
- キッチン本体を置くスペース
- 食器や食材の収納スペース
- 冷蔵庫置き場
- 作業スペース
ですが、「ゴミ箱置き場」も忘れず確保しましょう。
もし忘れてしまうと、作業スペースにゴミ箱が置かれることになり、料理の邪魔になります。
小指をぶつけるかもしれません。
シンク下を燃やすごみ箱置き場にするのがおすすめです。
料理中はバンバンごみが発生するので、瞬殺できるシンク下が便利です。
燃やすごみ以外は、そう遠くない別の場所にちゃんと確保してください。
体験談:先輩たちの失敗した間取り
次は「失敗した間取り」の、Webアンケート調査の回答をご紹介します。
中庭を作ったらリビングが狭い!
2階建にしました。
敷地の左右に他の家屋があり、日光が入りにくい住環境です。
そのため1階リビング中央に、4畳ほどの中庭を作り光が入るよう建ててもらいましたが、その分リビングが狭くなりました…。
元は中庭無し20畳のリビングの予定でしたが、天窓にして光が入るようにしたほうが良かったと後悔しています。
リビングが狭くなるデメリットをが想像できずとても残念です😢
脱衣所が狭い!
子どもの成長を考えずに脱衣所の広さを決めてしまって、失敗しました。
2人以上で脱衣所を使うと狭くて動きづらいです…。
タオルや洗濯物などを置くスペースを少し広めにするか、またはビルトインタイプの収納を付けておけばよかったと後悔しています。
その他失敗談
サンルーフを付ければよかった…
建てた当時は、まさかここまで電気代が高騰するとは思わず、省エネの作りにできなくて残念…。
もっとエネルギーを使わない住宅にしたかったです。
(福岡県久留米市/30代)
ルーフバルコニーを付けてしまった
落ち葉やゴミ・台風後の片付けや、手すりのサビなど、結局全然使わないのにメンテの手間だけがかかっています。
設置費用が無駄な上に、手間だけがかかるので後悔しています。
(東京都渋谷区/30代)
和室が不要だった
おかげでリビングは狭くなってしまいました。
畳の部屋はほとんど使っていません。
その分リビングを広げたらよかったです。
(東京都/40代)
シューズインクローゼットを付けなくて後悔
旧宅のアパートでは必要性を感じなかったのですが、子どもができて外遊びの荷物、履物やコートなども増えて、収納に困っています…。
シューズインクローゼットがあれば楽だったと感じています。
(神奈川県/30代)
玄関の上を吹き抜けにして後悔
来客にはウケが良かったのですが、その分部屋の数が減ってしまいました。
後悔しているのはその吹き抜けのところにウォークインクロゼットを作れば良かったと思っています。
収納が足りなくて困っています。
(千葉県/60代)
風水を気にしすぎておかしな間取りに
トイレをリビングのすぐ近くにしてしまったり、キッチンの位置を無理やり狭い部分に入れ込んでしまったなど、快適さが少なくなっています。
(群馬県/30代)
リビング階段が失敗だった
夜勤明けで昼間に寝たいとき、1階で騒ぐ子どもの声や物音、テレビがうるさいと感じることが良くあります…。
仕事の状況を考え、階段はリビングの外側に設置すればよかったと後悔しています。
(三重県/30代)
しかし、冷暖房をかけてもなかなか適温になりません。
そして昨今の電気代高騰が家計を直撃。
ここまで高騰するとは思わず、今となっては、階段はリビングの外が良かったと後悔しています。
(埼玉県/40代)
子ども部屋の面積で失敗
独立した部屋が必要になったとき、半分の4.5畳に分けて使う予定でしたが、中途半端な面積でうまくいきません。
机・ベッド・本棚・収納がうまく収まりません。
結局9畳のまま2人で使い続けてもらうことに。
使い勝手が良い部屋を計画出来ず、悔やまれます。
(広島県/60代)
寒すぎる脱衣室
採光のために脱衣室の一部の壁をなくしました。
それによって脱衣室が密室にならず、冬場に暖房をかけてもなかなか温めることができず、お風呂に入る時に不便を感じています。
(愛知県/40代)
時にはセオリーを無視しちゃってOK!
先述の「やってはいけない」はあくまで一般的なご意見。
間取りにおいてセオリー(定石)とは、多くの人に「成功」と、認められたノウハウのことを指します。
「やってはいけない」を気にしすぎて、全部セオリー通りにするのも「失敗」する可能性があります。
間取りのセオリーは、快適な生活を得やすく、効率的な使い勝手が期待できますが、特定のライフスタイルや好みに合わない場合もあります。
例えば分譲マンション。
万人受けする「失敗しない間取り」ですが、面白みに欠けませんか?
案内チラシをよく見ますが、正直フツーです…。
「やってはいけない間取り」にビビってセオリーだけに従うと、フツーの家になります。
注文住宅を選びたいあなたは、こだわりがあるはず。
私もそうでした。
ちょっと冒険した、特徴ある家にしたいなら、時にはセオリーを無視しちゃってOKです!
将棋の藤井聡太8冠は、AIもビックリの、セオリーをぶち壊す名人でもあります。
大丈夫、こだわりがあるなら「やってはけない」も挑戦してみましょう!
ウチもセオリーを無視した間取りがあります。
リビング横にトイレはNG?
大丈夫、家族だけなら無問題。来客ほとんど無いです。
リビング横に脱衣所はNG?
大丈夫、来客者が来る時間にはお風呂入らないし着替えません。
もし来客があった時は、家族同士声を掛け合えばOK牧場。
暖房効かんから吹き抜けNG?
大丈夫、沖縄なら暖房不要。沖縄なら…。
西日が入りすぎる?
ダイジョウブ、カーテン閉めればOK。ちょっとエアコンは効き辛さ有るけど…。
ということでセオリーは理解しつつも、家族のライフスタイルにマッチした間取りを優先で!
まとめ
注文住宅の間取り計画は、理想の生活を実現する最重要工程です。
このページで紹介してきたこと
- 間取りを考える基本や心がけ
- 間取りを決める手順
- ゾーニングの基本
- おすすめの間取り
- やってはいけないと言われる間取り
このページで紹介してきた先人たちの成功事例や失敗から学び、あなたの家づくりに活かしてください。
他の人が経験したトラブルや工夫は、最高の教材です。
失敗を避けるためには、間取りに関する情報をできるだけたくさん集めて検討しましょう。
…とは言っても間取りをガンが得るのはとても大変。
そこで、注文住宅の無料相談サービスを活用して効率よく計画をしていくのが令和スタイルです。